データ復旧の価格は「高い」というイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか?
当社では「10,000円からでデータ復旧」を謳っておりますが、業界の中では安い部類に入るとは思いますが、お客様の目線で考えた時に「安い」とは言えないのかも知れません。
データ復旧の料金が「高い」(と思われている)理由をデータ復旧業者の側から見て行きたいと思います。
最後までお読みいただきデータ復旧への理解が深まれば作業を依頼する時に費用を安くする方法もわかっていただけるかと思います。
言い訳のように聞こえる部分もあるかも知れませんが、ここで述べることは全て事実ですのでデータ復旧を依頼される時に見ていただくと料金の内容にご納得いただけるかも知れません。
目次
データ復旧の費用はどのように決まる
データ復旧の費用の内訳の大きな割合は「人件費」「資機材費」「広告宣伝費」などがあります。
人件費
データ復旧というサービスの中で、最もコストが発生するのが人件費です。
ほとんどが人の手による手作業で行われており、掛かった時間×人数が人件費として発生します。
インターネットで検索すると2017年のIT・通信に関わる人材の平均年収は466万円というデータがあり、これを参考に1ヶ月の給料を算出してみます。
ボーナスを年2回支給されるとし、1回のボーナスは2ヶ月分の給料として計算すると1ヶ月の人件費がおよそ30万円弱となります。
これを月22日出勤とした場合の日給は約13,500円となり、1日8時間労働とし時給換算すると約1,700円です。
しかし、会社として運営するためには人件費の2倍以上の金額が回収できなければ成立しないため、1日で作業が終了した場合でも約34,000円の費用が必要な計算となります。
エクスプレスサービスをご希望の場合はできるだけ早く作業を完了させるために2名体制で作業させていただいたり、いわゆる残業と呼ばれる時間外労働が発生することがあり、より人件費が高額になります。
資機材費
データ復旧には専用の機材やソフトウエアが必要となります。
特にハードディスクの修理の場合、同じ品番のハードディスクを用意しておくことで、故障した箇所を修理しデータの読み取りを可能にします。
ハードディスクの種類は無数にあり、その中でも特にシェアの高いモデルをリペア用のハードディスクとしてストックしていますが、使用されることが1度もないリペア用のハードディスクも存在しています。
しかし、いつか使用する可能性があるため、そのようなモデルでもストックとして確保しておかなければいけないため、コストが掛かりますが必要となります。
全モデルをストックすることは不可能に近いため使用頻度の低いモデルについては入手できる随時ルートを確保し依頼状況に応じ仕入れることで塩漬け状態になることを防ぎ少しでもコストを削減します。
復旧作業をするためのソフトウエアは重度物理障害になると市販のデータ復旧ソフトは使用できず、いわゆる業務用のデータ復旧専用のソフトを使用しデータを解析した上でデータを取り出します。
このような専用ソフトは非常に高価ですし、どんどん新しい規格や技術が出るコンピュータの世界では一生使えるものではありません。
広告宣伝費
データ復旧サービスはリピートしていただくようなサービスではありませんし誰にでも必要というわけではありません。
飲食店などの広告宣伝費とはタイプが大きくことなり、チラシなどではなくインターネット上のクリック広告が主な出稿先となります。
Googleのクリック広告「AdWords」を例に上げると「姫路 データ復旧」で広告を出すと1クリックで700円~1,800円の費用が発生します。
これはお客様がその広告をクリックした段階で費用が発生するため、受注に繋がらなくても必要な費用となります。
仮に10人のお客様がクリックをされてその内1人のお客様が受注となった場合、7,000円~18,000円の広告費用が発生することになります。
「姫路 データ復旧」は姫路のデータ復旧関連の中でも最も高額なキーワードになりますが、安くても1クリック500円ほどはかかりますし、クリック広告のコンバージョン率(成果率)として10%あれば良い方とされているため、安く見積もっても5,000円以上のコストが必要になります。
特に人件費と広告宣伝費は1回の受注にごとに必ず発生するもので、受注量が増えることで相対的に安くなるものではありません。
1回の受注に必要な費用
このように人件費、資機材費、広告宣伝費を足すと1日で完了する作業を受注した場合のコストは40,000円以上となることがわかります。
軽度の論理障害の場合、スムーズに作業が進めば2~3時間程度で終了するため、先程の計算で算出すると15,000円程度の見込みとなりますが、当社では特に多い軽度の論理障害に対し特別な価格設定をさせていただいており、容量により変動はありますが10,000円からで受注させていただいております。
これは軽度の論理障害が受注全体の半分以上を占めておりルーチンワーク化しやすい作業内容であることと、他の時間の掛かる作業と並行させて進行することが可能なため割引を適用させているという背景があります。
また市販のデータ復旧ソフトが10,000円以下で販売されていることから価格競争の原理も働いております。
重度の物理障害の料金はなぜ高いのか?
先程、軽度物理障害のルーチンワーク化の話をさせていただきましたが、重度論理障害はルーチンワーク化することが難しい作業となります。
ハードディスクの重度論理障害を例に挙げると、障害の発生している箇所を特定する作業と、特定後に処置を施す作業が含まれます。
これは当社の蓄積されたデータ復旧ノウハウやスタッフの経験値など様々な要素が必要となりますが、非常に長い時間が掛かる工程となります。
場合によっては処置だけで丸1日以上必要とすることも多く、人件費が大きく膨らむ部分です。
また大容量のハードディスクからのデータをコピーする時間も無視できず、500GBのデータをコピーするには2時間程度、特に大容量のNAS(ネットワークハードディスク)からのデータコピーで2TB(2,000GB)とすると8時間程度必要になります。
もちろん8時間の間、他の作業と並行して行いますが完全に放置することはできず、勤務時間などの状況によりスタッフを交代させるなどして進行状況を把握する必要があり、非常に長い時間がかかるため人件費が膨らみやすいことが重度物理障害が高くなる理由として挙げられます。
データ復旧が「高い」理由とは?
ここまでの内容でなんとなくデータ復旧の費用についてお分かりいただけたのではないでしょうか?
データ復旧というサービスは人件費が最も大きい割合を占めています。
特に費用が10万円を超えるような「高い」という状況はそれだけ障害のレベルが高く、データを復旧するためにはそれだけの時間と技術が必要になってしまっている状態であることを意味しています。
しかし重度物理障害が特に人件費の割合が大きいのに対し、軽度論理障害はルーチンワーク化などによりコストを抑えやすい仕組みですので、データ復旧全てが「高い」というわけではありません。
SDカードやUSBメモリなど100GB前後の軽度論理障害は10,000円~20,000円がほとんどで30,000円を超えることは珍しく比較的「安い」データ復旧が可能と言えます。
自分でデータ復旧する方が安い?
結論から言うと「安くなる可能性がある」です。
自分でデータ復旧をする場合、データ復旧に関する正しい知識をつける必要がありますが、まったく無知な状態で自分で作業することはデータ復旧できないばかりか、復旧できるはずのデータを復旧できない状態にしてしまう可能性があります。
このことに関しては「市販のデータ復旧ソフトを使用する場合の注意点」でも説明させていただいておりますので、ご覧ください。
市販のソフトを正しく使用し、データ復旧ができればソフト代金しか費用が掛かりませんし一般的なデータ復旧ソフトは家電量販店などで10,000円程度で販売されていますので、当社の軽度論理障害の価格とそれほど変わりません。
しかし、データ復旧ができなかった場合はソフトの金額は返って来ません。
アマゾンでデータ復旧ソフトのレビューを見ると、A社のデータ復旧ソフトでは無理だったがB社のソフトなら復旧できた、というケースをよく見かけます。
このことからメディアの状態により、データ復旧ソフトとの相性がありデータを復旧できない可能性が十分にありえることを意味しています。
当社ではデータ復旧できなかった場合は料金をいただいておりませんので、リスクを負わずにデータを取り戻したい場合にはおすすめです。
費用を優先するばかりに障害の状態を正確に診断できていない状態でのデータ復旧を試みることは危険を伴います。
「熱があるからといって風邪薬を飲めば治るとは限らない」と同じで、熱の原因が何かわからない状態で風邪薬を飲んでも風邪以外の別の病気を発症していると治らないばかりか悪化する可能性すらありしっかりと医師に診断してもらい処方された薬を飲まなければ行けません。
データ復旧に関しても同じで、メディアの種類や症状が論理障害か物理障害かによって作業の方法は大きく変わります。
できるだけ安くするには?
最後に、できるだけ安くデータ復旧するためのポイントをお伝えします。
業者に依頼しようと考えておられましたら参考にしてみてください。
納期を長く
データ復旧は人件費が大きく影響している説明をさせていただきましたが、その人件費をできるだけ掛けないようにするには「可能な限り納期を長くする」が有効です。
データ復旧作業において並行作業が可能であることは人件費を大幅に節減できることになります。言い換えればスタッフを占有する作業が人件費を大きくします。
短い納期の案件にはスタッフを占有し作業させることになり、長い納期の案件は並行作業が可能になります。
当社のエクスプレスサービスではお客様の納期の希望に合わせてスタッフを優先的に作業に当たらせています。これにより、別料金が発生しトータルの費用が高くなります。
逆に1週間以上の納期をいただいた案件に対しては、作業の落ち着いているタイミングで進めることができ、スタッフの手持ち無沙汰を解消することもでき有効に人材を活用できるため、人件費を最小限に抑えることができデータ復旧費用も安くできる可能性が高まります。
症状を悪化させない
よくある実例ですが、ハードディスクに軽度の物理障害が発生しているパソコンにデータ復旧ソフトをインストールし、数時間に及ぶスキャンを行っていたところハードディスクの異音が大きくなり重度の物理障害へと発展するケースです。
典型的な市販のデータ復旧ソフトの誤った使用例で、費用を抑えようとデータ復旧業者に頼まず自分で対応しようとされたようですが、結果として返ってデータ復旧料金が高くなってしまいます。
軽度の物理障害と重度の物理障害では料金に倍程度の差が出てしまいますので、市販のソフトなどを使用して症状を悪化させないようにする必要があります。
悪徳業者に気をつける
データ復旧という料金の内訳がわかりにくいサービスですので、それにつけこんだ悪徳業者がいるのも確かです。
作業料金が高いことに加え、見積りで料金を取られた、キャンセル料を取られたといった場合があります。
データ復旧業者を選ぶ時は見積り無料、作業前のキャンセルは無料を前提にし、媒体を渡さなくても親身になって相談に乗ってくれて、ある程度の見積りをしてくれる業者を探しましょう。
媒体を渡してしまうとキャンセルしたとしても、どんどん状態は悪化してしまうので注意が必要です。
実際の見積りは記憶媒体の診断をしなければお出しすることはできませんが、メディアの症状や容量などがわかればある程度の見積りは可能になります。
特に対応件数の多い復旧業者なら見積りのデータも豊富にあるはずですので「◯◯円~◯◯円程度になります」といった幅を持たせた金額でも見積りを出すことができるはずです。
当社ではホームページ上で簡易見積りをさせていただいており、メディアの種類や症状を選ぶだけで見積りが作成できますので、是非ご活用ください。
[見積りはこちら]からできます。